忖度はハイコンテクスト文化ならでは。

投稿日 : 2017年5月31日

「忖度」なんてコトバ、最近まで聞いたこともなかったです。

今年の春以降、よく耳にする「忖度(そんたく)」というコトバ。一体どういう意味?

コトバンク(大辞林 第三版)で調べてみると、忖度とは、「他人の気持ちをおしはかること。推察。 例)相手の心中を忖度する」とありました。

英語では表現しにくい言葉ですね。ハフィントンポストによると、日本外国特派員協会で行われた「森友学園」籠池泰典理事長の記者会見でも、通訳がうまくできずに混乱を招き、「conjecture(推測)」「surmise(推測する)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」など、いくつかの言い方があるけれども、直接「忖度」を言い換える言葉はない旨を説明もあったとのこと。

日本語の文化はハイコンテクスト文化 (high-context cultures、高文脈文化)の最極端だと言われていると、学生時代に勉強しました。コンテクストとは「前後関係、文脈、脈絡」といった意味で、世界の言語コミュニケーションはハイコンテクストローコンテクストの二つに分類できるのだとか。

日本語の文化では、言葉にすることで相手に伝わる情報の量や質よりも、言葉にしてないけれども相手が汲み取ることで伝わる情報が豊かであるということなんですね。「言わなくてもわかるでしょ?」「うんうん、わかるわかる」ってことね。ローコンテクスト文化では、つまり「言葉にしなきゃわかんないじゃん!」ってことで、英語圏もこちらに属していますよね。

そういう意味では、みんな普段から「忖度」していたってことですよねー。いやぁ、なるほど。

相手との共通認識があってこそ成り立つ「忖度」。もしこの共通認識が食い違っていたら…ひゃー、怖っ。