エコな江戸の湯屋。

投稿日 : 2018年10月21日

視点を変えれば朽木も恵み?

台風の後、折れた枝やどこかから飛んできた木材などを拾い集めていたとき、なんだかもったいないような木がたくさんあって、江戸の銭湯屋さんのエピソードを思い出しました。

江戸の街はとても自然に資源の循環やら燃料のリサイクルができていたといいます。
・提灯の張替え
・陶磁器の焼き接ぎ
・金物の鋳掛や刃物研ぎ
・草履の直し
・着物の掛け接ぎや仕立直し
・灰や下肥の買取
他にもいろいろあるようですが、その一つが「湯屋の木拾い」です。

江戸では、町奉行がきびしく商売を取り締まっていて、150年以上もの間、銭湯(湯屋と呼ばれていた)の入湯料は大人六文、子ども四文から変更がなかったのだとか。

湯屋の経営は苦しかったため、燃料になる木を安く手に入れるために、当時下男と呼ばれていた奉公人は、町中で燃えそうなものを拾って集めていたんですって。どこかで木材のゴミや朽木があれば、人づてに湯屋まで伝わって、集めに行ったといいます。

灰や下肥の買取もあったし、紙も回収していたというし。江戸の街にゴミがないのも頷けます。

現代では、集めた木のゴミは清掃工場に持っていって…ただ燃やされてしまうこともあるのかな…。
市町村によっては、粉砕してウッドチップにしたり、葉っぱで作った腐葉土と一緒に公園の花壇などの肥料にしたりするみたいですが…。
江戸なら燃料になって、温かいお風呂に役立ったのに。今も無駄になっていないといいな。ゴミの行末が気になります。