相伝帛紗、その2。

投稿日 : 2018年11月8日

きれいな色!

前回紹介した、相伝八種帛紗(そうでんはっしゅふくさ)

今日は息子の帛紗について詳しく。

息子のは緑色の松重(まつがさね)です。松重は伝統的な襲色目(かさねいろめ)の一種です。襲色目については、また後日。

松重は、表裏の二枚の生地では、表地に松の葉の色を表すを、裏地に木陰を表すを配し、常磐木(ときわぎ、常緑樹のこと)を表します。季節を問わない色目です。

息子の帛紗では、経糸と緯糸をこの二つの色で織ってあり、光の当たり方や見る角度によって、玉虫のように色が違って見えます。何とも美しい!

地紋にある柄は、唐松が全体に散っている模様。

帛紗を捌いた時に見える部分には、裏千家14代御家元の淡々斎の花押が織り込んであります。玄々斎が考案した後、代ごとに御家元お好みの帛紗が考案されていたようで、息子達のは、淡々斎のお好み。

息子の帛紗は、裏千家のお点前の中で、「小習(こならい)」用とのこと。

小習は、お稽古を始めたばかりの初心者が、まず最初に練習するお点前です。
最初にお稽古するからといって簡単というわけではありません。最も侘びて枯れてシンプルでなければならないという意味では、ものすごく奥の深いお点前です。小習は十六ヶ条が炉・風炉とあるので全部で三十二ヶ条。身につけるには練習を重ねる必要があります。

小習向けが、古今の色なき「松」の色。

これからいつまでも変わらず精進していきなさいという、激励の気持ちが込められているように感じるのは私だけかしら。。。がんばれ、息子!