相伝帛紗、その3。

投稿日 : 2018年11月14日

かわいい柄!

相伝帛紗について、息子の帛紗に引き続き、娘の帛紗について。

娘のは、紅色の蕾紅梅(つぼみこうばい)。こちらも、平安時代の襲色目(かさねいろめ)のひとつです。

つぼみこうばいは「蕾紅梅」の他、「莟紅梅」とも書くようです。表が鮮やかな紅梅色、裏は渋めの蘇芳色(すおういろ)。紅梅の花びらの色と萼(がく)の色の組み合わせなのだそうです。

紅梅が咲く時は、木々が全部葉を落とした新春の頃。寒い空気の中、いろいろなものがすべて静かな色の中に沈んでいます。そして、つぼみの時はがくの蘇芳色で、これも渋い色です。まさか中からあんなに鮮やかな紅色の花びらがこぼれだすなんて思わなくって、咲いているのを見つけた時にははっとさせられますよね。

地紋の柄は、の模様。円を並べて、梅の花びらが描かれています。

こちらは盆点(ぼんだて)用。盆点は小習が終わった方が習う伝物(でんもの)の一種です。

梅は年が明けて一番最初に咲く花であるため、古来から「花の兄(あに)」と言われています(ちなみに「花の弟」は、晩秋に咲く菊です)。

息子よりは少しお稽古の進んでいる、我が娘。おねえさんとしてがんばっている姿、応援してるよ!ということかな。