斜子織。

投稿日 : 2018年12月16日

「ななこおり」と読みます。

織物、なんとも奥深い世界です。

子どもたちの相伝帛紗は、斜子織りという織り方で織られています。
平織りの織物の一種で、表面には細かく織り目が表れます。

「ななこおり」は漢字で当てるといくつかあって、「斜子」の他、「並子」「魚子」「魚々子」「七子」とも書くのだとか。

名前の由来は、漢字によってそれぞれ。

織り目が斜めに並ぶから「斜子織」。
糸がぴったりと並んでいるから「並子織」。
細かくプチプチと表面に織り目が表れているのが、魚卵の並んだ姿に似ているから「魚子(魚々子)織」。
経緯(たてよこ)に7本の撚糸を使ったことから「七子織」。

英語では、マットの織り方なので、「マット織」、
バスケットの編み方に似ているので、「バスケット織」などともいうそうです。
オクスフォードのシャツの織り方も、この織り方ですよね?

経糸と緯糸が表面に交互に表れるこの織り方。二人の帛紗は、経糸と横糸の色を変えて、襲色目(かさねいろめ)を表現しているというわけですね。

日本での「ななこおり」は本来、絹織物の一種だったそうです。コシのある生地だからかしら、着物というよりは、羽織の生地として用いられたんですって。

京都で織られた京斜子の他、埼玉県西部の武州斜子(川越斜子、飯能斜子)、群馬県の桐生斜子、長野県の信州更級(さらしな)、新潟の越後五泉、岐阜でも織られていたみたい。
農業地域で、農閑期などに自宅で行う副業として作られていたのが中心とのこと。
だから今は少なくなってしまったのかな。

子どもたちに帛紗をくれたばあば曰く、たまたま生地が手に入ったから作られた帛紗だから、生地の在庫がなくなったら、手に入りにくくなるかもしれないんですって。。。

日本の手仕事は、日々失われていってしまいます。。。寂しいです。

帛紗、大事に使おうね。