まずは内面に降りていく。

投稿日 : 2019年3月15日

学生時代、他大学の客員教授が、社会学の一般教養の授業で話していたことが、ふと思い当たりました。

その教授は、ヨーロッパの都市の風景から学ぶことについて語ってくださったのですが、絵画を鑑賞することを風景を眺めることと同じように捉えていらっしゃいました。

絵画の額は「窓そのもの」である。絵画という風景を眺めることによって、自らの外部へ視線を向け、また、外部から自らの内面を覗き込むことができる。絵画の中に、自己の心や精神や、歩む道を見ている。視線は窓から外へ向かっていくけれど、実は内面に降りていっているのである。

ほんの一学期、数ヶ月の授業でしたが、とても印象的でした。

絵画を眺めてそこから感じとるものは、人それぞれ、眺める人によって違ってきます。風景を眺めても同じこと。何に心を奪われるかは、その人によって違うはず。

それは、つまり、同じ風景や同じ絵画を見ていても、違うものを感じ取ることができるということです。同じ体験をしても、そこから何を得るかは、それぞれにかかっている。

美しい風景や絵画に感動できる自分でいたいです、ね。